お知らせ

「いのち」と「暮らし」を思う

令和6年1月1日能登半島地震被害に遭われた皆さまへ心からのお見舞いを申し上げます。そして、ご家族や大切な方々を亡くされた皆さまへ謹んでお悔やみを申し上げます。 被災地では余震が続き、不安な日々が続いていますが、皆様の安全と一日も早い復興を衷心よりお祈り申し上げます。令和6年はこのように大きな災害で始まり、昨日まで何事もなく生活していた人たちの「命や暮らし」が奪われてしまいました。人の「命」を考えるときに、「誕生日」も合わせて考えなければなりません。

先日、仙台で開催された「きょうされん東北ブロック次世代とも育ち研修会」でも学ばせていただきましたが、「いのち」とは「人間や生物が生まれてから死ぬまでの生存の持続(日本国語大辞典)」という意味だそうです。そして、「いのち」はモノではないこと(目に見えない)、「いのち」は多様であること、生きていても、亡くなっても「いのち」はつながっていることを学びました。誕生日は、誰にでもある特別な記念日です。お父さん、お母さんになった日、きょうだいが出来た日、おじいちゃん、おばあちゃんになった日、人との出会いの始まりです。「生まれてくれてありがとう」と涙する瞬間、それが「誕生日」です。 人はみな「幸せ」になる為に生まれてきます。私たちの誕生、みなさんとの出会いが「一羊会」につながっています。みなさんとの出会いに恵まれ、これまで怖いものなしでやってこれたことに感謝です。

2月6日に、令和6年度の障害福祉サービス報酬改定案が厚労省から示されましたが、一羊会運営の「生活介護事業」「就労継続支援B型事業」「共同生活援助事業」等のサービス内容、人員配置基準、報酬単価をみても支援体制上、決して安心して運営できるものではありません。光熱水費や日用品、食料費等物価高騰への対応、人材確保面でも今まで以上に厳しい状況が予想されます。でも、こんな時だからこそ、規則・制度にだけとらわれず「無認可」の時のように障害のある人たちの願いを実現するために「学び合い」「話し合い」「工夫する」など知恵を出し合うことが大事です。そして、障害のある人たちの「暮らし」を守るため「地域づくり」「人づくり」「組織づくり」を目指して運動を続けていきたいと思います。

秋田県内被災地域の状況を見ますと、浸水被害による家屋の片付けが進んでいない方、やむなく慣れ親しんだ自宅を離れる決断をされた方、被災により働きたくても働けず収入が途絶えた方など、今尚、復旧に向け苦悩を強いられている方が多くおります。

来年は法人創立30周年を迎えます。(丸木橋福祉作業所開設から35年)しみじみ振りかえるに、利用者のみなさんは仕事に励み、また泣いたり、笑ったり、唄ったり、さわいだり、にぎやかに、そしてよくよくがんばって通ってくれました。こうしたこと全てが、私のこれまで多くの困難を乗り越える力となりました。また、これまで支えてくれた保護者の皆さん、地域の皆さんなど多くの方々に感謝の気持でいっぱいです。これからも、信念を曲げずに、法人の理念「愛と英知と創造」(感謝と思いやりの心をもち、限りなく知恵を出し合い、未来を切り拓いていく)を忘れず、新たな未来を描き、誠実に一歩ずつ歩みたいと思います。

結びに、本年も皆様の変わらぬご支援をどうぞよろしくお願い致します。

2024年2月29日

社会福祉法人 一羊会

理事長 澤田 修明